SHINYAKOZUKA café garçon|エプロンを巻くように穿くパンツ

腰のまわりに大きな布を巡らせ、前後から伸びる紐で結ぶ。 布が深く重なることで、正面にはサロンを巻いたような面が現れます。 SHINYAKOZUKA ISSUE#9のcafé garçonは、カフェで働く人が腰に巻くサロンのような佇まいを、足元が覗くクロップド丈のワイドパンツへ落とし込んだ一本です。

エプロンとユニフォームから

SHINYAKOZUKAはこれまで、エプロンやワークウェア、ユニフォームといったモチーフを繰り返し服へ取り入れてきました。

ユニフォームは、同じ仕事や役割を持つ人が共通して身につけるもの。 着る人それぞれの個性よりも、仕事や所属を示す記号としての役割が前に出る服でもあります。

SHINYAKOZUKAは、そうした匿名性や均一性を持つ服に異なる文脈や視点を重ねながら、新しい形へ置き換えてきました。 もとの服が持っていた役割を残しつつ、着る人によってその人自身の背景が見えてきたり、同じ服でも異なる表情を見せたりするように作り直しています。

café garçonも、その流れの中にある一本です。 カフェで働く人が腰に巻くサロンを思わせる布の重なりと、SHINYAKOZUKAらしい大きなパンツのシルエットが一つになっています。

「garçon」はフランス語で少年を意味し、カフェでは給仕を指す言葉としても使われてきました。 足元が見えるクロップド丈と、カフェの制服を思わせるサロン状のデザイン。 その名前と形を見ていると、二つのイメージが自然に重なって見えます。

紐を結ぶことで整う構造

一見すると非常に幅の広いパンツですが、その大きな分量は、身体の外側を包む布によって生まれています。 紐をほどくと布が大きく広がり、身体に沿わせながら結ぶことで、前後に深い重なりができます。

紐は前でも後ろでも結ぶことができ、結ぶ位置や絞り方によって、布の重なる向きや見える分量も変わります。

あらかじめ完成した一つのシルエットをそのまま穿くのではなく、着る人が最後にバランスを整える。 この余白が、café garçonの面白さの一つです。

大きな分量と、短い丈

股上を深く取り、横へ大きく広がるほどの分量を持たせながら、丈は足元がしっかり見えるクロップドバランス。 布をたっぷりと使っていますが、裾まで長く落ちないことで、全体が重くなりすぎないように整えられています。

素材には、柔らかさと滑らかな表情を持つウールフランネルを使用。 大きく重ねた布も硬く張らず、身体の動きに合わせて自然に落ちていきます。

正面ではサロンのような面が見え、横や後ろへまわるとパンツそのものの大きなシルエットが現れる。 見る方向によって印象が変わるのも、この分量があるからこそです。

深みのある黒と、柔らかなフランネルの表情。 構造にはかなり特徴がありますが、色と素材が落ち着いていることで、形だけが強く浮きすぎないバランスになっています。

café garçonは、ハンガーに掛かっている状態や写真だけを見ると、少し複雑で難しそうなパンツに見えるかもしれません。

ただ、実際に身体に沿わせて紐を結ぶと、大きく広がっていた布がすっと収まり、サロンのような面とワイドパンツのボリュームが自然につながります。

特徴のある形なのに、穿いた時には不思議と過剰に見えない。 その一方で、立っている時と歩いた時、正面と横、後ろでは少しずつシルエットが変わります。

大きな布を自分で巻き、紐を結んで、最後の形をつくる。 その着る動作まで含めて、このパンツのデザインなのだと思います。

写真で形を見るだけではなく、ぜひ動画で布の動きまで見てもらいたい一本です。

SHINYAKOZUKA(シンヤコヅカ)
café garçon(ISSUE#9) / night black

53,900円(税込)

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